皮膚科医監修 | 「シミ」の原因と対策、治療について

肌悩みで常に上位にある「シミ」について、その原因、シミをつくらないための対策、また、シミが出来てからの治療について解説します。

目次

シミの原因

紫外線

紫外線はシミの原因として広く知られています。
紫外線を浴びると、シミの元となるメラニン色素が過剰に作られ、皮膚に蓄積されてしまうためです。
シミ予防としてまず大切なのは、紫外線を浴びない、日やけを防ぐためのUVケアをしっかり行うことです。
またレーザー治療後も刺激によって一時的に色素沈着が起きやすくなることがあるので、この場合もUVケアが必須となります。

摩擦・刺激

シミには過度な刺激、摩擦によっておきるものもあります。

皮膚トラブルが落ち着いた後の色素沈着、また、顔を洗うときにごしごしとこすりすぎたり、化粧水などをしっかり浸透させようとすりこむようにつけたり、マッサージによる摩擦など、方法を誤ってしまうと肌を美しく健康に保つためのスキンケアが肌への負担・刺激となりシミの原因となる場合もあります。

他にも、肌に合わない化粧品を使用して肌荒れするなど、肌への刺激で炎症が起こった後にも、メラニン色素が過剰に生成され色素沈着しやすくなります。軽い刺激であっても繰り返し受けることで色素沈着につながるため、肌に刺激を与えないよう、肌のトラブルを未然に防ぐ事が大切です。

シミにはさまざまな種類があり、原因も一つではありませんが、「紫外線」「刺激」については、日々のスキンケアに気を付けることが、シミをつくらない対策となります。
→「シミをつくらないための対策」へ

<TOPIC>アクセーヌは化粧品による「シミ」の研究からスタートしました

1970年代、女性に多くみられる原因不明のシミについて、化粧品の成分によってかぶれをおこしたことが原因であると判明し、皮膚科医と企業の共同研究によってかぶれの原因となりやすい主な成分がわかりました。
さらに、その成分を化粧品から除去することで化粧かぶれによるシミができなくなるという理論が医師より提唱されました。アクセーヌは化粧品部門として共同研究に参画いたしました。

参照: 香料アレルギーと化粧品皮膚炎 (第73回日本皮膚科学会学術大会) — (皮膚と化粧品(シンポジウム))
日本皮膚科学会雑誌 84(12), 659-667, 1974-11

アクセーヌについてもっと詳しく アクセーヌ ヒストリーへ >>

シミをつくらないための対策

紫外線対策

紫外線は、天気や季節に関係なく1年中降り注いでいます。紫外線が人体に及ぼす影響の度合いを指標化したUVインデックス(UV指数)で比べると、薄曇りの場合は快晴時の約80~90%、曇りの日は60%程度、雨の日でも30%程度のUVインデックスとなります。どんな天気でも油断せずにUVケアすることが大切です。また、紫外線にはUVAとUVBの2種類があり、UVAはガラスやカーテンを通過して室内にも入り込んでいるため、屋内にいる時もUVケアするのが美肌への第一歩です。

参考:気象庁ホームページ 紫外線の性質(雲と紫外線)

◆SPF、PAとは?

日やけ止めには、SPFやPAというものが表記されています。これが紫外線カット効果を表す指標です。
SPFはUV-Bを防ぐ効果を数字で表しています。(最大50+)
PAはUV-Aを防ぐ効果を+の数で表しています。(最大++++)
最近は、近赤外線(NIR)に有効かどうか等、紫外線以外の肌に負担となる物質をカットできる効果を記している製品もあります。
自分の肌状態や肌悩みに応じて、肌に合った使いやすいものを選びましょう。
また、伸びがよく使用感のよいものが増えているため、ついつい薄づきになってしまいますが、紫外線をしっかりカットするためには
適量をしっかり塗ることが大切です。

参考:光老化啓発プロジェクト公式ホームページ
該当記事はこちら>>

リンク:負担なくUVケアするために→サンケア 製品ページへ

スキンケア

保湿ケアも、シミ予防のためには欠かせません。
肌が乾燥するとターンオーバーが乱れ、メラニンを排出しにくくなってシミができやすい状態になります。
化粧水や美容液、乳液などを重ねづけする、高保湿タイプのスキンケア製品を使うなどの潤いケアを続けることで、
ターンオーバーが整った健やかな肌をキープすることができます。

<美白*化粧品について>

美白*を目的とした有効成分が配合された薬用化粧品を使うことも効果的です。
化粧品には、化粧品と医薬部外品である薬用化粧品があります。
効果について記載されているのは、該当する薬用有効成分が配合された薬用化粧品のみなので、
化粧品を選ぶときの目安にするのも一つの方法です。

美白*を目的とした成分にはいくつかの種類があり、
・メラニンの生成を抑えるもの
・メラニン自体を還元して薄くするもの
・ターンオーバーを促進してメラニンの排泄を促すもの
等の様々なメカニズムがあります。

肌が敏感な方の場合、成分によっては肌への刺激となる場合があるため、肌負担の少ない低刺激性の製品を選ぶことも大切です。

まずはサンプルで試すなど、ご自身の肌に合ったものをお選びください。また医療機関で出される美白剤については医師とよく相談しましょう。

*メラニンの生成を抑え、シミ、そばかすを防ぐ

リンク:明るい印象の肌に ホワイトエマルジョン

シミの治療について

皮膚科や美容外科など、シミ治療を受けることができる医療機関があります。

シミの治療法は症状に応じて、内服薬や外用薬を用いるほかに、レーザー治療が知られています。
これは、レーザー光線を照射して、シミのメラニン色素のみに反応させて取り除く治療法です。
照射後はシミがカサブタになって数日後にはがれます。
シミの大きさや色の濃さなどにより個人差があり、シミの種類によってはレーザー治療で十分効果が得られないこともあります。

複数の種類のシミがある状態の時は、どのシミから治療したいのか、どの程度改善できたらゴールとするのか、 医療機関でしっかりと相談することが大切です。

その他のシミ治療として、ケミカルピーリングという方法があります。これは、素肌に薬剤を塗り、メラニン色素を含んだ古い角質を取り除くことでターンオーバーを促進していく方法です。

ケミカルピーリングの後は、キメが整い、ハリ・ツヤのある健康的な肌に導かれるため、エイジングケア※(年齢に応じたお手入れ)としても人気です。 医療行為であるケミカルピーリングは、医療機関で受けることができます。

なお、レーザー治療やケミカルピーリングを行うと、一時的に角層が薄くなるため、刺激を受けやすくなり、紫外線に当たると痕が残りやすくなります。

治療を受ける際の注意:
美容的な治療については、肌のコンディションが落ち着いている状態であることが望ましいとされています。 治療前はもちろん、治療後も、念入りにUVケアをして紫外線から肌を守る、摩擦などの刺激を与えない使用方法、低刺激なスキンケア製品を使うなど、肌に負担をかけないようにすることが大切です。医師からの指導を守りましょう。

まとめ

シミにはさまざまな種類がありますが、日頃のスキンケア紫外線ケアで気を付けることが対策となり、シミの予防に繋がっています。今日からすぐ始められることから、実践していきましょう。

以上

この記事を監修した専門家

医療法人社団代仁会理事長 イデリア スキンクリニック 代官山
院長 佐冶 なぎさ 先生

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
日本抗加齢医学会認定抗加齢医学専門医
医学博士

臨床の専門は皮膚科一般と皮膚小外科手術(皮膚腫瘍の切除など) で大学病院で若手医師や研修医への指導を経て現職。 持ち前のセンスとこだわりを活かして、保険診療から自費診療まで 皮膚に関する悩みをフルコースで診療する。

投稿日:2021/04/02
最終更新日:2022/01/13

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