キトサンって何だろう 一歩すすんだスキンケア成分

目次

キトサンって何だろう

さまざまな分野に進出する「キトサン」。その正体にせまります。

自然界に生まれ、科学の力が育てた成分。

 化粧品の配合成分が、何から生まれているかご存じでしょうか。
たとえば、ヒアルロン酸は、以前はニワトリのトサカからしか抽出できませんでしたが、現在はバイオ技術で大量生産できるようになりました。
アクセーヌの「キトサン」の場合、生みの母は意外にもカニ・エビなどの甲殻類となります。
そこから科学のカでアレルギーのもととなるタンパク質を取り除き、キチンという成分を抽出。それをさまざまな用途に使うために脱アセチル化したのが「キトサン」であり、アミノ基を多く有するアミノ多糖となります。

医療、食品、織維…さまざまな分野で活躍。

安全性が高く環境にやさしいキトサンは、さまざまな分野で活用されています。
たとえば、物理的に強い性質を持ち創傷治療効果もあることから、外科手術に用いられる糸に、生体適合性の高いことからやけど治療における人工皮膚などに使われています。
食品ではコレステロール低下や脂肪吸収阻害作用が注目されダイエット食品や機能性食品等に。
また抗菌作用があり低刺激であるため、アトピーやアレルギーに悩む人々の下着・寝具の素材にも活用されるなど、キトサンの活躍の場は大きく広がっています。

デリケートな肌も健やかに保つキトサン

その効果を化粧品で上手に届けるためには、どうすればよいのでしょうか。
アクセーヌが考えたことをご紹介します。

すぐれた成分。なのに化粧品への配合が難しかった。

キトサンは分子中に生理活性に有効なアミノ基を多く有する天然多糖であり、抗菌性や水分保持力の高い成分です。また通気性のいいネット状の皮膜をつくる保護効果も大きいとされます。
低剌激でアクネ菌や黄色ブドウ球菌に対する抗菌作用や活性酸素抑制作用もあり、デリケートな肌や大人のニキビに悩む肌を健やかな状態に保つことにも役立つと考えられました。
にも関わらず、今までスキンケアなどの化粧品に配合されることは多くありませんでした。
なぜなら、キトサンは水に溶けにくいという性質をもっているためです。
このすぐれた成分をスキンケア製品に配合するいい方法はないか。
アクセーヌの「キトサン」への取り組みはここから始まりました。

アクセーヌの技術で、キトサンはもっと働くようになった。

 誘導体という言葉をご存じでしょうか。
本来ならそのまま配合できない成分を配合するために化学的に変化させたものです。例えば、不安定なビタミンCの安定性を高めたビタミンC誘導体があります。
つまり、他の成分の力を借りて自らの働きをさらに有効にする工夫なのです。
アクセーヌはこの方法でキトサンを水に溶かすことに成功し、独自のキトサン誘導体を開発しました。

ここからは、アクセーヌが手掛けたキトサン誘導体の代表的な成分をご紹介いたします。

キトサンAHA

キトサンに、角質柔軟効果に優れた<AHA>*を組み合わせた成分です。 AHAとして、グリコール酸を利用しています。水分不足や皮膚柔軟性の低下等が原因の大人のニキビ肌を保湿しながらニキビができにくい肌に整えます。

*AHAとは・・・アルファヒドロキシ酸の略。すぐれた角質柔軟効果と保湿効果がある。代表的なAHAは乳酸、フルーツ酸、グリコール酸など。

出典:赤松浩彦,情野治良,酒井 薫:にきびに対するキトサン・グリコール酸塩含有低刺激性薬用ローション”アクセーヌシーバムクリーンウォーターACモイスト”の使用試験,診療と新薬,2005;42:744-749

キトサンPCA

キトサンに、天然保湿因子(NMF)の一種である<PCA>**を組み合わせた成分です。乾燥によるカサつき・肌荒れを起こしやすい肌を乾燥から守ることで、バリア機能をサポートします。

**PCAとは・・・アミノ酸の一種であるピロリドンカルポン酸の略。角層にあって水分を保持している天然保湿因子の一種。肌なじみがよく、保水効果にすぐれたうるおい成分。

出典:松下佳代,情野治良,伊藤泰介ほか:アトピー性皮膚炎へのキトサンピロリドンカルボン酸(PCA)塩クリームの外用効果,皮膚科紀要,1998;93:375-381

MCキトサンヴェール

キトサンに、親油性のミリストイル基と親水性のカルボキシメチル基という構造を結合させた成分です。親水性・保水性を示す部分と親油性・エモリエント性を有する部分を併せ持ち、さらに角層への親和性を高めることに成功しました。耐水性の良い水系乳化を形成し、美肌成分を角層中へ浸透させる働きと肌内部の水分を保つ働きがあることから、汗・水に強くみずみずしい使用感とスキンケア効果を有する「日やけ止め」の開発に寄与しました。

出典:濱本千晶,山本有紀,上中智香子ほか:炎症性皮膚疾患に対するサンスクリーン剤の使用試験,美容皮膚科学会雑誌,2021;31:19-26

その他にも、アクセーヌはさまざまな成分と組み合わせた多くのキトサン誘導体を開発しています。すべては、トラブルに悩む多くの肌を美しく健やかに保つため、アクセーヌはこれからもキトサンの研究を続けていきます。

キトサンを配合する製品はこちら

投稿日2021/12/28


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