頭皮や髪にやさしい白髪染め選びのポイントは?正しい使い方も解説!

 年齢を重ねるとともに徐々に目立ち始める白髪。特に30代半ばあたりから増え始めますが、市販の白髪染めを使用すれば簡単に白髪を隠すことができます。しかし、白髪染めをすると髪の毛が傷んだりアレルギーやかぶれを起こしたり…といったトラブルの不安もあります。
今回は、白髪染めによる頭皮トラブルの原因や頭皮や髪にやさしい白髪染めの選び方、白髪染めの正しい使い方をご紹介します。

目次

白髪染めで起きる頭皮や毛髪のトラブルの例

 白髪染めをすると若々しい印象になり、前向きな気持ちになります。とはいえ、頭皮や髪の毛が傷んでしまうのではないか…と懸念されるのも事実。実際、白髪染めをするとどういったトラブルが起こるのでしょうか?

白髪染めをされる方の多くが気にするのは「髪の毛のダメージ」。「酸化染料による白髪染め」の使用によって、キューティクルがはがれやすくなる等、白髪染めに限らず何度もカラーリングをしていると髪の毛はダメージを受け、髪の毛がパサパサする」「髪の毛のコシ・ハリがなくなる」などのトラブルが起こりやすくなります。
また、白髪染めによる頭皮のトラブルには、刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎が考えらえます。

【刺激による接触皮膚炎】

 皮膚に接触したものの刺激(毒性)によって起こる皮膚炎。たとえば、アルコール、強酸、強アルカリ、摩擦などによる刺激が、ある一定以上になるとほとんどの人に起こります。
また、体調や季節の影響で肌が不安定な時、バリア機能が低下している時などで皮膚に傷がある時には、症状があらわれやすくなります。

【アレルギーによる接触皮膚炎】

 体内の抗体が異物(アレルゲン)を排除しようとして起こる皮膚炎。
濃度や量が極めて少なくても、その異物に拒絶反応を起こす人に限って症状が現われます。
アレルギーによる接触皮膚炎は、症状が治まっても、再度アレルゲンに接触すると、同じような反応を繰り返します。

【刺激による接触皮膚炎】【アレルギーによる接触皮膚炎】のどちらの場合も、赤み・かゆみ・ほてり・腫れなど、症状そのものは似ています。

(アクセーヌのホームページより一部改変)

 ヘアカラーリングの施術中のみ痛みやかゆみを感じる時は刺激性の接触皮膚炎になることもありますが、すぐに薬剤を洗い流すと症状はおさまることが多いです。
一方、ヘアカラーリングを行なった直後だけではなく、痛みやかゆみがなかなか治まらなかったり、数時間後〜半日後に痛みやかゆみが現れはじめ、徐々に症状が強く出る場合には、アレルギー性の接触皮膚炎の可能性が高いといえます。原因がジアミン(パラフェニレンジアミン等)であることも考えられ、皮膚科医に相談されることをおすすめします。

白髪染めによる頭皮や毛髪のトラブルは、なぜ起きる?

 一般的な白髪染めの成分の中でも特に気を付けたいのが「ジアミン(パラフェニレンジアミン等)」。
皮膚科医の研究では、「酸化染料による白髪染め」等に含まれる染料のジアミン(パラフェニレンジアミン等)は、生活品の中でアレルギーを発症する頻度が高いとして日本皮膚免疫アレルギー学会が選定した代表的な成分の中でもアレルギーを起こしやすいことが報告されています。

また、白髪染めに含まれる香料によってアレルギーを起こすこともあります。他にも、白髪染めに使用される過酸化水素やアルカリ剤(アンモニア等)が頭皮への刺激となることがあるため、なるべく頭皮や髪の毛が傷まない白髪染めを選ぶことをおすすめします。

頭皮や髪にやさしい白髪染め選びのポイント

頭皮や髪の毛にやさしい白髪染め選びのポイントは3つあります。

1.ジアミン(パラフェニレンジアミン等)を含まない

 ジアミンアレルギーの方かぎらず、肌が敏感な方やアトピー性皮膚炎の方はアレルギーを起こす可能性があるため、ジアミン(パラフェニレンジアミン等)を含まないヘアカラーリング製品をおすすめします。

2.アレルギーが起こりやすい成分を含まない

 ジアミン(パラフェニレンジアミン等)の他にも香料、一部の染料などもアレルギーが起こる可能性があるため、これらが含まれていないことを確認することをおすすめします。

3.頭皮に刺激となる成分が使用されていない

 「酸化染料による白髪染め」等のヘアカラーリング製品に含まれるアルカリ剤(アンモニア等)や過酸化水素は、頭皮や肌に刺激になることがある成分であるため、刺激性の接触皮膚炎を起こすことがあります。

白髪染めによる頭皮や毛髪のトラブルを防ぐ正しい使い方

頭皮や髪の毛へのダメージを最小限に抑えるためにも正しい使い方を知っておく必要があります。ここでは、綺麗に安全に染めるポイントをご紹介します。

パッチテストを行う

 「ヘアカラーリングをされるときは毎回必ず、ご自身でパッチテストを行って頂くようおすすめします。パッチテストは「白髪染め」等のヘアカラーリング製品を使用してアレルギー反応が起こるかどうかをご自身で確認できる最も有効な方法です。
パッチテストの詳しい手順は、お使いになる製品の使用説明書に詳しく書かれています。必ず、使用説明書をよく読み、正しく行ってください。
パッチテストは前述のように、ご自身で簡単にテストする方法もありますが、医療機関で実施してもらうこともできます。医療機関でパッチテストを行うことは、アレルギー性のかぶれ(接触皮膚炎)の原因を確認するためには有効な方法です。詳しくは皮膚科医に相談されることをおすすめします。

頭皮に薬剤をつけない、白髪が伸びた部分のみ塗布する

 頭皮に近い根本から薬剤を塗ると頭皮への刺激が強くなり、アレルギー反応も起こしやすくなります。そのため、頭皮から5mm程度空けて塗布するなど、頭皮に薬剤が直接つかないようヘアカラーリングを行うことをおすすめします。また、目の細かいコーム(櫛)を使うことで、頭皮に薬剤がつきにくくする工夫もおすすめします。

参考:Visual Dermatology Vol.17 No.5「ヘアカラーリングを安全に行う基礎知識 医療現場と患者、理・美容師のために」

放置時間を守る

 「しっかり染まってほしい」という理由で放置時間を長くするのはNG。お使いになる製品の使用説明書に添って、指定の放置時間を守って洗い流しましょう。

白髪染めで頭皮や肌にトラブルが起きたら、皮膚科に相談を

 万が一、白髪染めをしてかゆみや痛みを感じるようであれば、アレルギーを起こした可能性もあるので、すぐに皮膚科にご相談頂き、ご自身にあった製品がわからない場合も、皮膚科医に相談されることもおすすめします。

ヘアカラーリング製品の中には、一般にノンジアミンやジアミンフリーなどと呼ばれるジアミンアレルギーの方や肌が敏感な方にお使い頂ける製品があります。皮膚トラブルを防ぐためにも髪の毛や頭皮への負担が少ない白髪染めを選ぶことをおすすめします。

更新日:2021/10/8
投稿日:2021/9/3


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