アトピー性皮膚炎など肌が敏感に感じるときに使える白髪染めの選び方や染め方のコツをご紹介
数本でも見つけると気になる白髪。白髪染めをする人は年々増加傾向ですが、せっかくした白髪染めで「ピリピリとした痛みがある」「頭皮がかゆい」といった頭皮トラブルに悩む人も増加傾向です。
アトピー性皮膚炎など肌が敏感な人も、頭皮トラブルの不安なく白髪染めを楽しむための白髪染めの選び方や染め方のコツをアクセーヌがお伝えいたします。
目次
アトピー性皮膚炎など肌が敏感な方が感じる頭皮トラブル
アトピー性皮膚炎などの肌が敏感な方で白髪染めを使用したことある方は、頭皮がかぶれやすい(89%)、頭皮のかゆみ(63%)、頭皮の赤み(54%)、頭皮のニオイ(49%)、フケが出る(49%)など複数の頭皮トラブルを抱えています。
頭皮がかぶれやすいことを気にしている方にその原因をお伺いすると、アレルギー(68%)、ヘアカラー・白髪染めの使用(61%)、頭皮が敏感だから(48%)と感じていました。
(アクセーヌ調べ 35名 2019年度)
(アクセーヌ調べ 35名中31名の回答 2019年度)
頭皮がかぶれやすい方にその改善方法や対処方法をお伺いすると、かぶれにくい白髪染め・ヘアカラーを使う(81%)、頭皮に負担がない白髪染め・ヘアカラーを使う(77%)、シャンプー・コンディショナーなどが頭皮に残らないようにすすぐ(55%)、頭皮や髪にやさしいシャンプー・トリートメントを使う(42%)と続きます。2割弱の方は皮膚科で処方された外用薬を使われています。
(アクセーヌ調べ 35名中31名の回答 2019年度)
皮膚科医への調査においても、増えてきたと感じる肌トラブルに「頭皮のトラブル」(28%)があります。(アクセーヌ調べ 皮膚科医178名 2014年度)
頭皮のトラブルが気になる場合、一度近くの皮膚科医に相談されることをおすすめします。
頭皮のかぶれについて
かぶれは大きく分けて2つあります。「刺激」と「アレルギー」です。
【刺激による接触皮膚炎】
皮膚に接触したものの刺激(毒性)によって起こる皮膚炎。たとえば、アルコール、強酸、強アルカリ、摩擦などによる刺激が、ある一定以上になるとほとんどの人に起こります。
白髪染めの中には強アルカリの酸化染毛剤があり、お肌が敏感な方には刺激になることがあります。 刺激によるかぶれは、その時の肌の状態に左右されます。
たとえば、体調や季節の影響で肌が不安定な時、バリア機能が低下している時などで皮膚に傷がある時には、症状が出やすいといえます。
アクセーヌのホームページ「アレルギーと上手につきあうためのQ&A」より一部改変
【アレルギーによる接触皮膚炎】
体内の抗体が異物(アレルゲン)を排除しようとして起こる皮膚炎。
濃度や量が極めて少なくても、その異物に拒絶反応を起こす人に限って症状が現われます。
皮膚科医の研究では、ヘアカラー(酸化染毛剤)に含まれる染料のジアミン(パラフェニレンジアミン等)は、生活品の中でアレルギーを発症する頻度が高いとして日本皮膚免疫アレルギー学会が選定した代表的な成分の中でもアレルギーを起こしやすいことが報告されています。
アレルギーによるかぶれは、その時の肌の状態に関係なく生じます。
症状が治まっても一旦アレルゲンに接触すると、同じような反応を繰り返します。
【刺激による接触皮膚炎】【アレルギーによる接触皮膚炎】どちらの場合も、赤み・かゆみ・ほてり・腫れなど、症状そのものは似ています。
頭皮のかぶれの原因の見極めは大変むずかしいので、皮膚科専門医にご相談されることをおすすめします。
市販の白髪染めを選ぶときに気を付けたいこと
現在では薬局・ドラッグストアや通信販売で簡単に白髪染めを購入できます。白髪染めを選ぶ際には色味や色持ち、使いやすさなどはもちろん大切ですが、アトピー性皮膚炎などの肌が敏感な方は【刺激による接触皮膚炎】【アレルギーによる接触皮膚炎】が起こりにくい白髪染めを選ぶことがおすすめです。
肌が敏感な方が刺激を感じやすい・アレルギーを起こしやすい白髪染めの成分として、酸化染毛剤に含まれる酸化染料(ジアミン等)・過酸化水素・アルカリ(アンモニア等)があります。
アルカリにより毛髪が膨潤され、酸化染料が毛髪中に浸透し、酸化して結びつくことで発色します(染毛作用)。同時に、過酸化水素の作用によりメラニン色素が分解され髪色を明るくします(脱色作用)。
その際、化学反応やpHの変動によって頭皮にピリピリした痛みを引き起こすことがあります。
参考:ヘアカラー工業会 ホームページ
■ジアミン
ジアミンは多くの酸化染毛剤に配合されている染料です。中でもジアミン系染料は染毛力に優れています。一方で、『日本の中でパッチテストをすると、9%ぐらいがPPD*陽性』という報告があります**
*:PPD…パラフェニレンジアミンの略でジアミン系染料のうちの一つ
**参考:Visual Dermatology Vol.17 No.5
「ヘアカラーリングを安全に行う基礎知識 医療現場と患者、理・美容師のために」
■酸化染料を含まない製品を使用する
市販の白髪染めは種類豊富でどれを選べば良いか迷うかもしれませんが、アトピー性皮膚炎や敏感肌の方は酸化染料が含まれていない製品を選ぶと良いでしょう。ここでは、白髪染めでおすすめの4タイプをご紹介します。
参考:ヘアカラー工業会ホームページ ヘアカラーリング製品の分類
オハグロ式の白髪染め
植物系の染料と鉄剤を反応させる昔からある方法で髪の毛の内側から着色します。キューティクルを傷めにくく、頭皮への影響も少なく、カラートリートメントやヘアマニキュアに比べて染まりやすく色持ちが良い事が特徴です。
医薬部外品に分類される永久染毛剤で、非酸化染毛剤とも呼ばれます。色調は黒~黒褐色で、「タンニン酸」や「ピロガロール」などを含む1剤と「硫酸第一鉄など」を含む2剤からなり、まず毛髪へ1剤を塗布し、その後、2剤を塗布します。ジアミンアレルギーの方も使えますが、まれにかぶれる方もいる医薬部外品となるため、毎回パッチテストを実施することをおすすめします。色持ちは4週間程度となります。
カラートリートメント
繰り返し使うことで、少しずつ髪の毛が色づくのが特徴です。また、カラートリートメントには保湿やトリートメント成分も配合されており、頭皮や髪のダメージが少なく、アレルギーのある方でもお使いいただける可能性が高いです。また、ホームケアで取り入れやすいヘアカラーリング製品でもあります。
ヘアマニキュア
髪の毛の表面を色でコーティングするヘアカラーリング製品です。化粧品に分類される半永久染毛料で、髪の表面をコーティングするように着色します。頭皮に付くと落ちにくいですが、白髪染めや明るい色での使用に適しており、カラーバリエーションも豊富です。頭皮や髪の毛へのダメージは少なく、白髪染めで頭皮がかぶれたことがある方でもお使いいただきやすく、色持ちは2〜4週間程度です。手軽にヘアカラーリングを楽しみたい方におすすめです。
ヘナ
ヘナとはインドやアフリカ等に自生する植物で、髪の毛のタンパク質と結合することで染毛します。化粧品・雑貨に分類される植物性染料です。
ヘナで染まる色はオレンジ系の明るい茶色。その色味は粉によっても異なりますが、赤系の色で、基本的に白髪の部分だけが染まり、また染まる色合いや濃度は粉の品質や染める人の髪質によって微妙に異なります。色持ちは髪の状態にもよりますが、4週間程度です。また、美髪効果も期待できます。
ジアミン(パラフェニレンジアミン等)を含むヘナカラーもあるので、必ずジアミン不使用であることを確認しましょう。
参考:学陽書房「若々しく美しい髪を保つために トリートメント ヘアカラー ヘナ」
自分で白髪を染めるときに気を付けること
自宅で白髪染めをする際、ポイントを押さえておくことで頭皮へのダメージを軽減できます。
ポイント1:顔周辺や頭皮を保護するために油性のクリーム等を塗り、なるべく頭皮につけないようにする
白髪染めの前に額やこめかみなどの顔周りに油性のクリーム等を塗っておくと、皮膚にカラー剤が付いても落ちやすくなると同時に皮膚を刺激から守ります。
参考:日本ヘアカラー工業会 ホームページ
ポイント2:頭皮へ直接塗布しない
白髪染めをする際、根本からべったりと塗ると仕上がりは美しく見えますが、頭皮への負担になります。肌が敏感な方の場合には、なるべく頭皮への刺激を軽減するためにも、直接頭皮へ薬剤はつけず、5ミリ程度空けるようにしましょう。
参考:Visual Dermatology Vol.17 No.5
「ヘアカラーリングを安全に行う基礎知識 医療現場と患者、理・美容師のために」
最終更新日:2021/10/8
投稿日:2021/9/2
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