【医師監修】黒ニキビとは?ニキビは赤や白だけではないのです

ニキビケア

2023/2/17 2023/2/17

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女性の肌トラブルの中でも上位に挙がる「ニキビ」。鏡を見てニキビがあるだけで気分が下がりますよね。

そもそもニキビとは、どんな症状を指しているかご存知ですか?ニキビとは、毛穴に皮脂が詰まったことでアクネ菌が増殖し、毛穴が炎症することで発生する小さな発疹のことです。

さまざまな原因により、皮脂や古くなった角質などが毛穴に詰まり、そこにアクネ菌が増殖することで赤く炎症を起こす。膿が溜まって膨らんだりした状態などを、ニキビと称しているのです。

ニキビのイメージというと、皮脂が詰まってしまい膨らんだ状態(皮膚科の専門用語では丘疹、白ニキビ(閉鎖面皰{白色面皰})、炎症が赤く目立つ赤ニキビ、毛穴に膿が溜まった黄ニキビ(膿疱)などが思い浮かぶ人も多いですよね。しかし、白や赤だけではなく、「黒ニキビ」というものも存在しているんですよ。今回は、そんな黒ニキビについて原因や治し方をご紹介していきたいと思います。

黒ニキビとは?

ここでは、意外と知られていない黒ニキビの正体について詳しくご説明していきます。

黒ニキビはどんな見た目?

黒ニキビは、角質細胞の増加によって毛穴の出口が開いて生じ、メラニンが角質細胞に蓄積され、黒っぽく見えるニキビのことをいいます。皮膚科医の専門用語では、「開放面皰(黒色面皰)」と呼ばれます。(参考;ファーマーナビゲーター にきび治療薬編 メディカルレビュー社)

黒ニキビは毛穴に詰まった皮脂などが、空気に触れ酸化することで、より目立った見た目になってしまいます。

見た目は毛穴詰まりや小さなホクロのように見えることもあります。

黒ニキビはどんな状態?

黒ニキビは、まだニキビの初期〜中期段階といえます。ただし、初期段階だからといって安心はできません。

なぜなら、黒ニキビは初期ニキビから徐々に悪化しつつある段階です。白ニキビと同様に放置しておくと、ニキビの原因となるアクネ菌が皮脂を栄養にして増殖し、炎症を起こし赤ニキビへと発展してしまう恐れがあるのです。

さらに悪化してしまうとニキビが炎症して腫れてしまうほど症状が進んでしまい、治るまでにも時間が掛かり、痕(皮膚科の専門用語では「肥厚性瘢痕」と呼ばれます。)になってしまうので、早めのケアが大切です。

黒ニキビができる原因は?

ニキビができてしまう主な原因は皮脂の分泌量の増加、ターンオーバーの乱れ、毛穴の詰まり、アクネ菌の増殖などが挙げられ、黒ニキビだけでなく、白ニキビや赤ニキビにも共通しています。

皮脂が過剰に分泌されてしまうのには、「睡眠不足」「女性ホルモンと男性ホルモンのバランスが乱れる」「ストレスによって分泌されるホルモンの過剰」等、いくつか原因があります。

また、「洗顔時の擦りすぎ」や「間違ったスキンケア」「ニキビが気になって何度も触ってしまう」等で、新しい皮膚細胞に生まれ変わるサイクルであるターンオーバーが乱れてしまうと、古い角質が残ったままになり、毛穴の角質が厚くなります。そうすると、毛穴の出口が塞がれ、皮脂が詰まってしまいます。

この様に、皮脂だけでなく、ニキビができやすくなる原因は、角層機能の低下とも関連しています。

黒ニキビの治し方とは

皮膚のターンオーバーをサポートする

日々自分でできるケアとして、細胞の生まれ変わりである皮膚のターンオーバーを整えてあげることが大切です。ターンオーバーは睡眠中に進むため、ニキビができてしまったら、睡眠をしっかりととるように心がけましょう。

また、角層が乾燥しているとターンオーバーを乱す原因となってしまうため、保湿力の高い化粧水などでしっかりと保湿をし、その上からクリームなどで保湿成分を閉じ込め肌が乾燥しないように意識することも大切です。

さらに、紫外線は、乾燥の原因となってしまうので、毎日の保湿ケアにプラスして紫外線対策を徹底しましょう。

そして、ターンオーバーをサポートするビタミンA、皮脂分泌を抑制するビタミンB2、ビタミンB6などが含まれる食材を不足しないよう摂るようにすると良いですよ。

正しい洗顔とスキンケアを行う

過度の外部刺激は黒ニキビをさらに悪化させてしまう恐れがあります。そのため、洗顔の際には刺激の少ない洗顔料をよく泡立ててやさしく洗うようにしましょう。スクラブ入りの洗顔料も使用は避けましょう。

また、皮膚が乾燥してバリア機能が低下すると外部刺激を受けやすくなり、このことも黒ニキビを悪化させる原因に繋がってしまうため、適切な保湿を心がけましょう。

油分の多いファンデーションは避ける

黒っぽく目立つ黒ニキビができてしまうと、ニキビを隠そうとコンシーラーやファンデーションを厚く塗りがちになります。一般的にリキッドファンデーションやクッションファンデは油分が多いです。

しかし、ニキビを隠そうとして厚く塗ったり、強く擦って塗る刺激や油分はニキビの悪化につながることもあるので、どうしてもメイクをしたい場合は、ニキビの部分を避けて低刺激で油分が少ないファンデーション(ノンコメドジェニック処方のものを選んで)薄くのせる程度にしておくと良いです。

皮膚科での治療

酷くなる前に早めに皮膚科を受診することをおすすめします。

皮膚科での一般的な治療法のひとつに「面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)」があります。専用の器具を使用しニキビの中に詰まっている皮脂や膿、古い角質などを押し出す治療法で、治りが早まるとされています。しかし、自分でいじると痕が残るリスクが高まるため、やめましょう。

他にも、ニキビの原因菌が増えるのを抑える塗り薬や飲み薬を処方されることもあります。保険が適用されるものがほとんどなので、まずは医師に相談してみると良いでしょう。

皮膚科の治療の中には、保険適用の治療薬だけではなく、保険適用外でピーリング効果のあるもの、医療機器を使用したビタミン導入や炎症跡の積極的なケアが、医師の指導のもと受けられます。興味のある方は一度、話を聞いてみるのも良いと思います。

黒ニキビは予防も大切

黒ニキビはまだ初期の段階であり、ニキビができないように日々予防することも大切です。

そのために、丁寧なスキンケアを行う、十分な睡眠をとる、肌に触れるものの清潔を保ち皮膚に刺激を与えない、栄養バランスを意識した食事をするなどを心がけるようにしてみましょう。精神・身体的ストレスを減らすことで、体調を整えるのも大切です。

余分な皮脂や肌についた汚れを落とし、肌を清潔に保つこともニキビ予防には大切ですが、皮脂が気になるからと2回以上洗顔をしたり、スクラブ剤入りの洗顔料を使ったりと、過度な洗顔は控えましょう。

スキンケアでは、低刺激で油分が少ないもの(ノンコメドジェニック処方の化粧品)を選ぶようにし、肌のバリア機能をサポートするために保湿を重視したケアを意識すると良いですよ。

紫外線を浴びると、肌の乾燥が進んでしまうので、日々の紫外線対策も重要です!

食事面では、肌の材料となるタンパク質をはじめ、肌の新陳代謝を促したり皮脂量をコントロールしたりするビタミンB2・ビタミンB6、肌のターンオーバーを整えるビタミンAが豊富に含まれる食材を積極的に取り入れてみましょう。

黒ニキビができてしまったら、早めのケアが大切!

今回は治ったと思ってもまた繰り返される厄介なニキビの中でも、初期段階で現れる「黒ニキビ」についてお届けしてきました。

毛穴が詰まって中で炎症が起きている状態のニキビは、毛穴が詰まった状態のコメドから始まり、白ニキビ、黒ニキビ、炎症が強く起こることで赤ニキビ、黄ニキビ(膿を持ったニキビ)と徐々に悪化していきます。

そのため、黒ニキビができてしまった時は、さらに悪化を防ぐためにも早めのケアが大切です。皮膚のターンオーバーを乱さない生活習慣を心がけ、正しい洗顔とスキンケアを丁寧に行い、早めに皮膚科に相談すると良いです。

ニキビはできてしまうと気持ちも落ち込んでしまい、メイクも楽しめなくなってしまいます。

そうならないためにも、ニキビができる前の予防もとっても大切です!

ニキビのない美しい肌を手に入れるためにも、正しいスキンケアを行い、栄養バランスの取れた食事や睡眠をしっかりと摂るなど、日々の生活でできることからはじめてみましょう。

【記事監修医師】

かすがい皮膚科 副院長

春日井 一葉 先生

【医師からのメッセージ】
皮膚科専門医として新しい治療を積極的に取り入れています。より早く良くなっていただくためにスキンケアや生活の指導も行っています。
またシミやニキビあとに美容治療もありますのでお肌のお悩みはお気軽にご相談ください。

【略歴】
平成16年 愛知医科大学卒業 中部ろうさい病院研修医
平成18年 中部ろうさい病院皮膚科
平成19年 愛知医科大学皮膚科
平成21年 中部ろうさい病院皮膚科
平成24年 玉田皮フ科、秋田病院
平成29年 かすがい皮膚科副院長

【所属学会】
・日本皮膚科学会
・日本小児皮膚科学会
・日本美容皮膚科学会
・日本皮膚悪性腫瘍学会

【資格】
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医

<所在地>
〒471-0071豊田市東梅坪町9丁目8‐3 
電話:0565-32-1112
https://kasugaihifuka.jp

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