アトピー性皮膚炎の原因とスキンケアについて

空気が乾燥し、気温も低く肌に冷たさを感じる冬。この季節は、汗や皮脂を分泌する汗腺や皮脂腺の働きが低下するため「天然の保護クリーム」である皮脂膜の機能が落ち、乾燥が深刻化します。

乾燥からはじまることが多いアトピー性皮膚炎。乾燥が進むとかゆみが増し、かけばかくほどかゆみが強くなり、炎症が悪化してなかなか治らないという悪循環…。

ここでは、アトピー性皮膚炎の原因とスキンケアについてご紹介します。

目次

1.アトピー性皮膚炎を引き起こすさまざまな原因

2.スキンケアについて

1.アトピー性皮膚炎を引き起こすさまざまな原因

アトピー性皮膚炎は、もともとのアトピー体質にさまざまな要因が加わって発症すると考えられています。ここでは、身のまわりにあふれる要因をご紹介します。これらの要因をできるだけ避けて生活しましょう。

①ダニ

住居内のほこりの中に多いチリダニ、食品中で増殖するコナダニ。さらに刺されて皮膚炎になるイエダニなど、ひと口にダニといってもその種類はさまざま。室内のほこり1グラム中に含まれるダニの数は数匹から数千匹、多いときには数万匹にのぼります。ダニアレルギーはアトピー性皮膚炎の原因の約80%といわれています。こまめに掃除をし、風通しをよくしましょう。

②金属

アクセサリーや時計などに含まれる金属によって、アトピー性皮膚炎を発症する人がいます。アレルゲン(アレルギーの原因物質)となる金属は人によって異なりますが、もっとも多いのはニッケル、クロム、コバルトなど。ただ、金属単独のアレルギーでは一般的にアトピー性皮膚炎にはならず、特殊な場合だけなので、過敏になり過ぎず上手につきあいましょう。

③衣服

衣服、特に下着やストッキングなど直接肌に触れるものは刺激になりやすいです。刺激の少ない、なめらかなものを選びましょう。縫い目の部分が刺激になることもあるので裏返しに着たり、縫い目に工夫をした下着を選ぶのもよいでしょう。また、下着の加工時に使用されている処理剤でアトピー性皮膚炎が悪化することがあります。新品は水洗いしてから使うのをおすすめします。

④食物

一般的に卵・大豆・牛乳が三大アレルゲンと呼ばれますが、その他にも小麦、米などの穀物が関与しています。食物アレルギーは、消化器粘膜の働きが未熟でアレルゲンを吸収しやすい乳幼児に多く、成長とともにほとんど消失します。

⑤精神的ストレス

精神的ストレスが加わると、自律神経その他の調節系のバランスがくずれ、症状が悪化しやすくなるといわれています。運動をしたり趣味をもつなどして、緊張をやわらげリラックスできる環境をつくりましょう。

2.スキンケアについて

清潔&保湿…それがアトピーのスキンケアのポイントです。
ここでは「洗浄」と「保湿」についてご紹介します。

①洗浄

肌の表面には汗やホコリ、皮脂などの分泌物の残りなど、目には見えなくてもさまざまな汚れが付着しています。これらの汚れが残っていると、炎症も悪化しやすくなります。肌を清潔に保ちましょう。洗うのをこわがらず、刺激の少ない石けん・シャンプーで汚れをしっかり落としましょう。

  1. ぬるま湯を使って石けんをよく泡立て、手でやさしく洗います。
  2. 肌を刺激しないために、身体を洗うときはガーゼや柔らかいタオルでそっと洗います。ナイロンタオルやボディブラシでゴシゴシ洗うのは控えてください。
  3. 首、ひじ、ひざの裏側は忘れがちなので意識して洗いましょう。
  4. 洗浄成分は肌に残らないよう、ぬるま湯で十分にすすぎ流します。入浴後の湯ぶねのお湯には菌が存在するので、シャワーのお湯を使用することをおすすめします。
  5. 洗ったあとは、乾いた柔らかいタオルでしっかり水分をふき取ります。

②保湿

しっとり美しい肌は、皮膚表面の角層に水分がたっぷりあります。角層にはNMF(ナチュラル モイスチュアライジング ファクター)や細胞間脂質、皮脂膜があり、肌のうるおいをコントロールしています。洗浄したあとの肌は、これらの成分が奪われがち。肌は乾燥しやすく、さまざまな物質の刺激を受けやすくなっています。洗浄後はすばやくたっぷりと潤いを補給してあげましょう。刺激が少ない化粧水やクリーム、保湿剤などで保湿・保護し、肌のバリア機能をサポートしてあげましょう。

髪や爪も清潔に

顔や首筋にふれる髪は、肌を刺激します。短く切ったり、まとめるなどヘアスタイルを工夫してみましょう。ヘアスプレーなども肌に触れるとアトピー性皮膚炎を悪化させる恐れがあるので、気をつけましょう。

爪は汚れや細菌がたまりやすいもの。爪がのびた手足で患部を触ったりかいたりすると、細菌(ブドウ球菌など)が傷口から侵入しやすくなります。手足の爪は切りそろえて清潔に保ちましょう。

悩めるアトピー肌、正しいケアでしっかり守りましょう。

ACSEINE LINEUP

投稿日:2021/12/23
最終更新日:2021/12/24


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